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天保通宝の見分け方と価値|希少価値が高いものは30万円以上の値段

今回は、天保通宝の見分け方と価値についてご紹介を致します。希少価値が高い天保通宝の値段は30万円以上にもなりますので最後までお読み下さいね♪

 

天保通宝は、小判型の楕円形をした中心部に “郭” と呼ばれる正方形の穴がある穴銭です。

 

また天保通宝は、寛永通宝とならんで多くの方に知られた古銭で、天保通宝を専門に収集している方がいるほど人気の古銭です。

 

天保6年(1835年)に百文通用として鋳造され明治24年(1891年)までの長きにわたって流通しました。そのため種類が多く価値も様々です。

 

そんな天保通宝の種類の見分け方と価値について詳しくご説明をしておりますのでご覧くださいませ。

 

 

 

天保通宝の見分け方

 

天保通宝は、百文通用として鋳造されが、実際には80文で流通しました。 

 

お蕎麦1杯が約16文、現在の520円ほどと言われてますから、現在のお金でいうと天保通宝1枚で2600円にもなります。

 

250文で1朱銀1枚、または1朱金1枚と同額になるんですよ。

 

形は、小判型の楕円形で、中心部に “郭” と呼ばれる正方形の穴がある穴銭です。

 

表面には「天保通寳(てんぽうつうほう)」と刻まれています。

 

 

 

裏面上部には「當百」と刻まれています。「當百」は、”とうびゃく” と読み、1文銭100枚を意味しています。

 

あっ、ちなみに、1文銭とは寛永通宝の裏面が波型になっていないつるっとした古銭のことです。

 

また、裏面下部には後藤家の花押も刻まれています。

 

 

 

天保通宝は、その年代や天保通宝の書体から久留米藩、薩摩藩、福岡藩、岡藩、土佐藩、長州藩、会津藩、仙台藩、久保田藩、盛岡藩など24種類の代表的なものがあります。

 

希少価値が高い天保通宝にもなると、300,000円もの価値になります。また母銭ともなるとその数倍の値段になることもあります。

 

ちなみに、この母銭とは、通用銭を鋳造する時の母型(ぼけい)で、材質や寸法に違いがあります。通常銭よりほんのわずかだけ大きく、文字なども鮮明という特徴があります。

 

天保通宝で最も希少価値が高いのは、幕末以降に作られた ”南部 小字” で通常銭で300,000円から100,000円までの価値があります。

 

 

天保通宝の種類と価値

 

下の表が天保通宝の種類とその価値です。

 

鋳造された年代に「幕末」が多いのは、久留米藩、薩摩藩、福岡藩、岡藩、土佐藩、長州藩、会津藩、仙台藩、久保田藩、盛岡藩で幕府に隠れて密かに鋳造されたからです。

 

当時は偽造通貨で価値がなかったものでも、現在では古銭として根強い人気があるのがこの天保通宝です。

 

水戸藩は幕府から許可を得て鋳造されていたので密鋳ではありません。

 

名称 素材 年代 価格(円)
母線 通用銭
本座長郭 天保6年~ 80,000 2,000~1,200
本座細郭 天保6年~ 130,000 2,000~1,200
本座広郭 弘化2年~ 50,000 1,800~1,000
本座中郭 慶応2年~ 20,00~10,000
薩摩 短尾通横郭 幕末~ 10,00~5,000
薩摩広郭 幕末~ 3,000~1,500
福岡 離郭 幕末~ 36,000~18,000
岡 痩通 幕末~ 5,000~2,500
高知 額輪短尾通 幕末~ 8,000~3,000
山口 曳尾 幕末~ 25,000~14,000
山口 方字 幕末~ 15,000~8,000
山口 大字平通 幕末~ 80,000~40,000
水戸 濶字退宝 幕末~ 5,000~2,500
水戸 短足宝 幕末~ 5,000~2,500
水戸 大字 幕末~ 8,000~3,500
会津 短貝宝 幕末~ 18,000~10,000
会津 長貝宝 幕末~ 130,000~60,000
会津 広郭長足室 幕末~ 250,000~130,000
秋田 長郭 幕末~ 18,000~10,000
秋田 広郭 幕末~ 25,000~15,000
秋田 離郭 幕末~ 60,000~40,000
南部 大字 幕末~ 50,000~30,000
南部 銅山手 幕末~ 50,000~30,000
南部 小字 幕末~ 300,000~100,000

 

また表のなかの古銭の専門用語はこのようになります。

 

本座 天保通宝の鋳造場所が幕府公式であることを示しています。
細郭 細郭とは、中央にある郭(穴の縁)の幅が細くなっています。
広郭 広郭とは、中央にある郭(穴の縁)の幅が広くなっています。
中郭 中郭とは、中央にある郭(穴の縁)の幅が広くもなく細くもありません。
横郭 横郭とは中央にある郭(穴の縁)が横長になっています。
短尾通 短尾通とは、「通」のしんにょうの尾部分が短くなっています。
痩通 曳尾(えいび)」とは、「通」の「辶(しんにょうへん)」部分が左右に長く、中間から尾にかけて上がります。
額輪 額輪とは、銭貨に書かれている文字よりも輪(天保通宝の縁)の高さが高くなっています。
離郭 離郭とは、中央にある郭(穴の縁)から文字が離れています。
方字 方字とは、穴の縁(郭)が真四角でハッキリしていることを示しています。
平通 平通とは、文字のサイズが大きく、「通」という漢字の隙間が狭くなっています。
濶字退宝 濶字退宝とは、全体に文字が太く、「寶」が右に傾いて、「通」の「マ」が長く、前に突き出ています。
短足宝 短足宝とは、「寶」の「貝」の「ハ」が短くなっています。
長貝宝 長貝宝とは、寶の字の貝が長くなっています。
長足宝 長足宝とは、「寶」の「貝」の「ハ」が長くなっています。
長郭 中央にある郭(穴)の左右が縦長になっている。
銅山手 「通」の「用」が大きく、「寶」は逆に縮んでいます。盛岡銅山當百文の「通」に似ているところから銅山手の名が付けられました。

 

表のなかの「本座」とは、天保通宝の鋳造場所が幕府公式であることを示しています。

 

 

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