穴銭|内郭五銖(ないかくごしゅ)の価値と見分け
今回は、古文銭の中から内郭五銖(ないかくごしゅ)という穴銭の価値と見分け方についてご紹介致します。
ちなみに、古文銭とは、中国で紀元前221年 秦の始皇帝によって鋳造された半両銭から、唐の時代 武徳4年(西暦621年)に鋳造された開元通宝までの銭を言います。
この五銖銭は、前漢(元狩5年(前118年))から隋の時代まで鋳造され、唐の621年(武徳4年)に廃止されるまで739年間も流通しました。
中国史上最も長期にわたり流通した貨幣で、そのため、種類が多いです。
内郭五銖の見分け方
下の写真の穴銭は、梁(502年~557年)の時代に作られた穴銭で内郭五銖(ないかくごしゅ)と言います。
五銖銭表面の右側に「五」、左側に「銖」が刻まれていることから五銖銭と呼ばれます。
銅で作られている為、青錆びが出てしましっていますが、それも古銭の良さです。
少し世界史の勉強になってしまいますが、中国の南北朝時代に江南に存在した王朝の一つが梁です。
その梁が鋳造した貨幣で内郭五銖(ないかくごしゅ)と言います。
気になる価値ですが現在の取引価格は、7,000円~3,500円です。
またこの貨幣の名前にもなっている内郭とは、貨幣の中央にある穴の縁のことで、他の五銖にはそれがありません。
五銖銭の種類
内郭五銖のほか、良く似た五銖銭が、四決五銖、上横文五銖、小五銖、後漢五銖、直百五銖、大和五銖、北魏五銖、永安五銖、常平五銖、置様五銖、隋五銖、白銭五銖がありますので、写真で違いをあげておきます。
四決五銖 | 上横文五銖 | 小五銖 |
後漢五銖 | 直百五銖 | 大和五銖 |
北魏五銖 | 永安五銖 | 常平五銖 |
置様五銖 | 隋五銖 | 白銭五銖 |
※写真は日本貨幣商協同組合発行「貨幣カタログ」より引用
五銖銭の価値
気になる五銖銭の価値ですが高いもので、大和19年(495年)に作られた大和五銖が30,000円もの値がつくことがあります。年代が古いわりにはあまり希少価値がないので残念ながらそれほど高値になりません。
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