今回は、地方で鋳造された貨幣の中から秋田鍔銭(あきたつばせん)をご紹介致します。
江戸時代の銅製金属貨幣の鋳造は、幕府の直轄でした。
が、幕末には全国的な貨幣不足に陥っていたため、江戸幕府は地方貨幣の鋳造を各藩に許可しました。
秋田鍔銭(あきたつばせん)もその一つで、鉱山に恵まれた秋田藩では、文久2年(1862年)に、秋田鍔銭(長尾・中尾・短尾)と、秋田波銭の4つのタイプの銅銭が鋳造されました。
これがその秋田鍔銭(あきたつばせん)です。
文久時代は、第14代 徳川 家茂(とくがわ いえもち)が将軍で、文久2年(1862年)には、和宮 親子内親王(かずのみや ちかこないしんのう)と婚礼をされた年でもあります。
そこで、今回はその秋田鍔銭(あきたつばせん)の特徴や種類、見分け・買取価格をご紹介致します。
また秋田鍔銭の3種類(長尾・中尾・短尾)の見分け方もご紹介致しますので最後までお付き合いください(^^♪
銅製金属貨幣の鋳造は、幕府の直轄でしたが、幕末には全国的な貨幣不足に陥っていたため、江戸幕府は地方貨幣の鋳造を各藩に許可しました。
秋田鍔銭(あきたつばせん)もその一つで、鉱山に恵まれた秋田藩では、文久2年(1862年)に秋田鍔銭(長尾・中尾・短尾)と、秋田波銭の4つのタイプの銅銭が鋳造されました。
その中のひとつがこの秋田鍔銭です。
この秋田鍔銭(あきたつばせん)とは、久保田藩12代藩主、佐竹義堯(さたけ よしたか)の刀の鍔(つば)を模して鋳造したといわれる銅銭で、幕末期の地方貨幣の一種であり、八卦銭(はっけせん)ともいわれます。ちなみに久保田藩のことを秋田藩とも言います。
そのため、秋田鍔銭(あきたつばせん)の特徴は、鍔(つば)を模しているので、撫丸肩方形(なで肩)で、中央の孔(穴)が長方形をなしている他には例のない形態です。
表面に雌雄の鳳凰、裏面に八卦(はっけ)の参木(さんぼく)模様をデザインしていて、太刀の鍔(つば)を模したことから「鍔銭(つばせん)」とも呼ばれています。
ちみなに、八卦(はっけ)とは「当たるも八卦、当たらぬも八卦」と聞いたことはありませんか?
昔はテレビの時代劇でよく聞いたものなのですが最近ではあまり聞かなくなりました。
で、八卦(はっけ)とは中国から伝わった易(えき)、いわゆる占いのことで、八つの図から運勢や方位の吉凶を占うそうです。
鳳凰の尾部の長さで「長尾」、「中尾」、「短尾」の3種類があり、中尾が稀少性が高いです。
大きさは53ミリx48ミリ、 量目が約52.0gです。
秋田鍔銭には、鳳凰の尾部の長さで「長尾」、「中尾」、「短尾」の3種類があります。
こちらが秋田鍔銭ですが、鳳凰の尾部に注目下さい。
赤枠で囲まれた鳳凰の尾部が銭の縁に接しているのが見て分かります。
この長さが「長尾」です。
一方、「短尾」や「中尾」はここまで鳳凰の尾部が長くはありません。
下の写真は「短尾」ですが、上の写真の「長尾」と比較して尾部が短いのが分かります。
秋田鍔銭の取引価格をご紹介致します。
秋田鍔銭の買取価格は「長尾」、「中尾」、「短尾」でそれぞれ価値が違います。
中でも「中尾」は珍しいため3種類の中でも一番高値で取引されます。
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
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