大東亜戦争軍票5セント紙幣の取引価格と価値
今回は、大東亜戦争軍票5セント紙幣の取引価格と価値についてご紹介を致します。
ちなみに、軍票とは、戦争時に占領地域で軍費調達のために政府あるいは軍によって発行された紙幣のことを言います。
また、大東亜戦争軍票とは、昭和16年(1941年)日本が第二次世界大戦中に東南アジアを占領した太平洋戦争(大東亜戦争)において、これらの占領地で日本軍が発行した軍票の総称を言います。
なぜ、総称かといいますと、大東亜戦争軍票には、「は号券」、「に号券」、「ほ号券」、「へ号券」、「と号券」の全部で5種類もあるからです。
それら軍票が発行された国と単位以下の通りです。
は号券 |
旧オランダ領インドネシアで発行された軍票で単位はグルデンとセント(オランダ語で表記)。のちに日本が現地で発行した際に単位をルピアに変更した。 |
に号券 |
旧イギリス領マレーシアで発行された軍票で単位は海峡ドルとセント。ちなみに、海峡ドルとは、19世紀から20世紀前半にかけて海峡植民地であったマレー半島のイギリス植民地で流通していた通貨を言います。 |
ほ号券 |
旧アメリカ領フィリピンで発行された軍票で単位はペソ。フィリピンでは軍票の濫発が激しかったため、猛烈なインフレーションに陥った。また現存するものの中には日本に補償を求めるスタンプを押したものが存在する。これは軍票所持者から信託を受けた団体が受領書を交付し、団体ではスタンプを押して管理していた名残である。 |
へ号券 |
旧イギリス領ミャンマーで発行された軍票で単位はルピーとセント。 |
と号券 |
英領太平洋地域で発行。単位はポンドとシリング。ガダルカナル島など太平洋島嶼部の占領地で使用されたが、現地では貨幣経済を必要としない部族社会であったため、実際に殆ど使用されなかった |
この大東亜戦争軍票5セントは、1942年(昭和17年) 大東亜戦争後、太平洋の島々から東南アジア、ビルマ、オセアニアに拡大する際に、石油、ゴム、錫などの重要な資源を確保するために発行されました。
ちなみに、写真の5セントは「に号券」になります。
残念ながらこの大東亜戦争軍票5セント紙幣「に号券」の価値はそれほど高くなく、取引価格は状態が良くても300円しかなりません。
あまり希少価値が高くないんですね(^^;
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
※裏面の色には、模様・暗紫があります。
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