今回は、寛永通宝の中から水戸銭の価値と見分け方についてご紹介を致します。
ちなみに、寛永通宝は大きく古寛永通宝と新寛永通宝に分けられ、今回ご紹介する水戸銭は古寛永通宝に分類されます。
古寛永通宝は、寛永3年(1626年)より寛文8年(1668年)以前に作られた寛永通宝で、一方の新寛永通宝は寛文8年(1668年) 江戸亀戸村で、幕府の直轄として鋳造されはじめました。
古寛永通宝は新寛永通宝に比べると種類も少なく16種類程度しかありません。
一方の新寛永は長期にわたり鋳造されたため、その種類は数百種に及びます。その為それらの寛永通宝を見分けるのも大変難しくなります。
今回ご紹介をする水戸銭は、その種類が少ない古寛永で水戸藩で鋳造されました。
冒頭でご紹介しましたが、寛永通宝には古寛永通宝と新寛永通宝の2種類があります。
古寛永通宝と新寛永通宝の見分け方は、「寶」の字の「貝」の5画目から7画目の部分が「ス」になっています。
一方の新寛永通宝は、ご覧のとおり「寶」の字の「貝」の下の部分が「ハ」になっています。
今回、ご紹介をする寛永通宝の水戸銭は、他の寛永通宝と比較をしても鋳造が安定していて美銭が多く、書体に特徴が無いのが特徴です。そのため、水戸銭を見分けるのが非常に難しくなっています。
見分け方のポイントとしては、「通」の「辶(しんにょう)」が中央の郭と呼ばれる四角い穴を取り囲む凸部分に寄っています。また、「通」の字のバランスがとれていて、綺麗な「辶(しんにょう)」の払いで見分けることができます。
また、今回ご紹介をしている古寛永通宝の水戸銭は、「仰永」と「背濶縁」という2つの特徴があります。
仰永とは、「永」の字が右に傾いているいることをいいます。また、「背濶縁(せかつえん)」とは、寛永通宝の裏面の銭の縁の幅が広くなっていることを指します。
こちらが「仰永」です。右に傾いているのがお分かりになるかと思います。
そして、「背濶縁(せかつえん)」がこちらになります。幅が広くなっていますね(^^♪
古寛永通宝 水戸銭の気になる価値ですが、高くても500円、状態が悪いと150円ほどの価値しかありません。中には買取価格も付かない古寛永通宝 水戸銭もあります。
素材 | 年代 | 価格 | |
水戸銭 | 銅 | 寛永12年(1635年) | 500円~150円 |
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
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