古紙幣「日華事変軍用手票 丙号100円」の価値と見分け方
今回は、古紙幣の中から日華事変時に発行された軍用手票(ぐんようしゅひょう)、略して軍票(ぐんぴょう)の価値と見分け方をご紹介致します。
日華事変とは、1937年(昭和12年)から1945年(昭和20年)まで、大日本帝国と中華民国の間で行われた戦争で、日中戦争とも呼ばれます。
この軍票ってあまり聞きなれない言葉ですが、戦争において占領地に駐留する軍の物資の調達や給与の支払いなどの経費を補うために政府によって発行された紙幣なんですよ。
占領地の物資調達なんて一歩間違えれば、略奪になりかねませんから、相手から反感を招かない為にこの軍票が発行されたという訳なんですね。
「手形」みたいなもので、この軍票を持っている人に対して、当時の日本政府は債務を保証しますと言った紙幣なんです。
ただ、実際のところ、日本は、敗戦国となった為大部分の紙幣は価値を持たなくなりました。
動画の軍票は、日華事変の時に発行された軍票で、日華事変軍票とも呼ばれています。
日本軍は戦争の進展に応じて様々な日華事変軍票を発行したため、額面の違いも含めると30種類以上も存在しています。
日華事変軍用手票 丙号100円の見分け方
この日華事変軍票 丙号100円の紙幣表面右には、聖徳太子の肖像、左には奈良にある法隆寺夢殿(ゆめどの)が描かれています。裏面には、法隆寺が描かれています。
こちらの朱色の日華事変軍票は現地軍が勝手に印刷したもの、もしくは敵の謀略券(ぼうりゃくけん)ともいわれております。
紙幣表面の聖徳太子の肖像と夢殿、裏面の法隆寺のデザインは全く同じです。
日華事変軍用手票 丙号100円の価値
気になる日華事変軍票 丙号券100円の価値ですが、未使用で1,500円、並品で200円もの価値になる事があります。
朱色の丙号券100円の価値ですが未使用で400円、並品で100円になることもあります。
私は所持しておりませんのでお見せすることができませんが、日華事変軍票の中には、インドシア方面で使用する予定だった紙幣が、殆ど使用されなかったことから未使用で45万円もの値が付くことがあるプレミアム軍票もあるんですよ。
未使用 | 美品 | 並品 | |
丙号 | 1,000円 | 300円 | 100円 |
丙号(異式)朱色 | 400円 | 200円 | 100円 |
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
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