今回は、江戸時代の古銭の中から元文一分判金(真文一分とも呼ばれています)の価値と見分け方をご紹介致します。
ちなみに、二分判金が2枚で1両(小判)になるので、一分判金では4枚が1両になります。
当時の価値を現在のお金に換算すると、一分判金1枚で、だいたい33,000円ぐらいじゃないかと言われています。
もちろん、時期によっては相場も変わりますが、当時、お蕎麦1杯が約16文、現在の520円ほどと言われてますから、一分判金が江戸時代ではどれほどのお金であったか分かりますよね。
江戸時代に鋳造された一分判金は全部で12種類あり、それらは額一分判金・慶長一分判金・元禄(げんろく)一分判金・宝永一分判金・正徳一分判金・享保一分判金・佐渡一分判金・元文一分判金・文政一分判金・天保一分判金・安政一分判金・万延一分判金です。
この元文一分判金にも他の一分判金に見られる「桐紋」が表側の上部と下部に刻印されています。
上部の「桐紋」は扇枠に入っていますが、下部の「桐紋」は枠は無く、上下の桐紋では違いがあります。
また、表の中央部には、「一分」と刻印されています。
文一分判金(真文一分)表面↓
裏側中央から上に、「光次」の署名がされており、中央から下に後藤光次の「花押」が刻印されています。
元文一分判金の最大の特徴でもある「文」の年代印が右上に真書体で刻印されていることから「真文一分」とも呼ばれています。これは、文政一分判金にも 元文一分判金と同じ「文」の字が草書体で刻印されていることから区別する上でそう呼ばれています。
文一分判金(真文一分)裏面↓
鋳造期間は、元文元年(1736年)から82年間の1818年までです。
ちなみに元文時代の天皇は桜町天皇、江戸幕府将軍は第8代将軍 徳川吉宗です。
重さは、3.25グラムで金653/銀347から鋳造されており形は長方形をしています。
元文一分判金は、当時の財政難を立て直すために、改鋳利益を得る目的で造られた金貨で、享保一分金や正徳一分金などに比べると品位が悪化しています。
価格は、状態が良ければ40,000円、悪くても15,000円と希少価値が高いので高価な古銭となります。
また、逆打ちの元文一分判金ともなると、なると12万円にもなります。
この逆打ちとは、表面と裏面で本来向きが同じであるはずの刻印が逆になっているエラー判金を言います。
鋳造量 | 上 | 中 | 下 |
小判鋳造量に含まれる | 40,000円 | 30,000円 | 15,000円 |
逆打 | 120,000円 | 90,000円 | 60,000円 |
品位 | 金653/銀347 量目 3.25g |
(注)書体に数種有り
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