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水戸虎銭と水戸降兵の見分け方と取引価格

今回は、地方貨(地方貨幣)の中から慶応3年(1867年)に、水戸藩で鋳造された江戸時代の古銭「水戸虎銭」の見分け方取引価格についてご紹介致します。

 

ちなみに、この地方貨とは、地方貨幣のことで、各地の領内通用を目的として鋳造された貨幣をいいます。

 

この水戸虎銭は、銭の面に虎が描かれ、水戸で鋳造されたことから「みとこせん」、または、「みととらせん」と呼ばれ、虎のデザインが人気でコレクターからも愛されています。

 

どちらが表面か裏面かは諸説あって、深く刻まれている『虎』の方が表面とも言われています。  裏面には『富国強兵』という文字が刻まれています。

 

この水戸虎銭は、当初、蒔銭(まきぜに)だったと言われています。

 

蒔銭(まきぜに)とは、祝賀行事の時に参列者にまかれる銭のことをいい、この水戸虎銭もそうでした。

 

それが、銀座(銀貨幣の鋳造所)の職人への賃金として、この蒔銭を五十文銭として支払い、自然と町中に広がっていったとされています。

 

下の2枚の写真は、水戸虎銭です。

 

こちらが表面で、虎が描かれていて、中央には四角い穴が開いています。

 

 

裏面には「富国強兵」と刻まれています。

 

 

人気が高い水戸虎銭なのでその取引価格もなんと! 90,000円から50,000円という高値が付きます。

 

そんな希少価値が高い水戸虎銭なんですが、その水戸虎銭の中にもさらにレアな『水戸降兵(みとこうへい)』と呼ばれる虎銭もあります。

 

そのレアな「水戸降兵」の見分け方をご紹介致しましね。

 

下の写真をご覧頂きたいのですが、『富国強兵』の『強兵』に注目して下さい。

 

 

 

写真で目印の赤い直線を入れましたが、この写真では、『強兵』と四角の穴が一直線に頭の高さが並んでいるのがお分かりになるかと思います。

 

この場合は、水戸虎銭です。この直線より、『強兵』が下に若干下がっている場合は、水戸降兵と呼ばれ、希少価値がつき、取引価格はなんと1.4倍ほどにもなります。

 

水戸降兵とは、今で言うエラーコインのようなもので、たとえば、現在皆様が使われている50円白銅貨の穴がずれていると希少価値が高くなり額面もの何十倍もの価値になりますよね。それとおなじことなんですね。

 

水戸虎銭をお持ちの方は、水戸虎銭をよくみて「水戸降兵」かどうかチェックしてみて下さい(^^♪

 

名称
素材
年代
西暦
価格
水戸虎銭
慶応3年
1867
90,000~50,000
水戸降兵
慶応3年
1867
120,000~70,000

※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。

 

 

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