古銭銀貨|竜50銭銀貨と竜20銭銀貨・竜10銭銀貨の価値を比較
今回は、古銭の銀貨の中から、明治6年(1873年)から明治39年(1906年)にかけて発行された竜50銭銀貨と竜20銭銀貨・竜10銭銀貨の価値や大きさを比較しながら解説を致します。
これらの銀貨の表面には、京都出身の金工師(きんこうし) 加納夏雄がデザインした竜が描かれていて、それぞれの銀貨の大きさは違うのですが竜の図柄は全く同じです。
これら3種類の銀貨の希少価値は高く、高いものではなんと!700万円もの値が付くこともあります。
そんな竜50銭銀貨と竜20銭銀貨・竜10銭銀貨の価値を分かりやすく比較しておりますので最後までお読み下さいね(^^♪
竜50銭銀貨と竜20銭銀貨・竜10銭銀貨の見分け方
竜50銭銀貨をはじめ竜20銭銀貨、竜10銭銀貨の表面には、京都出身の金工師(きんこうし) 加納夏雄がデザインした竜が描かれています。
多くの方は、竜が描かれている方が裏面と思われるようですが、実はこちらが表面なんですよ(^^♪
で、額面がある裏面の左側に桐、右側に菊が描かれ、中央上部には、十六葉八重表菊(じゅうろくようやえおもてぎく)がデザインされており、こちらも額面以外は同じデザインです。
竜50銭銀貨、竜20銭銀貨、竜10銭銀貨のどれも銀の含有量は80%で、残りの20%が銅から作られています。
また、竜50銭銀貨が一番大きく、直径が30.9ミリで、一番小さいのが10銭銀貨の17.57ミリです。
素材 | 大きさ | 重さ | |
竜50銭銀貨 | 銀:80% 銅:20% | 30.9ミリ | 13.48g |
竜20銭銀貨 | 銀:80% 銅:20% | 23.50ミリ | 5.39g |
竜10銭銀貨 | 銀:80% 銅:20% | 17.57ミリ | 2.70g |
竜10銭銀貨と竜20銭銀貨・竜50銭銀貨の価値
気になる価値ですが、一番希少価値が高いのは竜50銭銀貨で明治13年(1880年)に発行された枚数が179枚と極端に少ない為、未使用で700万円もの値が付くこともあります。完全未使用ならそれ以上の値が付く可能性もあります。
そのほか、明治7年・9年・10年も発行枚数が少ない為、150万円以上もの値が付くこともあります。
こちらが竜50銭銀貨の価値になります。
年号 | 完未 | 未使用 | 極美品 | 美品 | 並品 |
明治6年(1873年) | 95,000 | 60,000 | 20,000 | 9,000 | 5,000 |
明治6年(1873年)長年 | 250,000 | 180,000 | 100,000 | 70,000 | 50,000 |
明治7年(1874年) | * | 4,000,000 | 2,500,000 | 2,000,000 | 1,000,000 |
明治9年(1876年)下切 | * | 2,500,000 | 1,500,000 | 1,000,000 | 700,000 |
明治9年(1876年)上切 | * | 2,500,000 | 1,500,000 | 1,100,000 | 800,000 |
明治10年(1877年)下切 | * | 1,600,000 | 1,000,000 | 700,000 | 400,000 |
明治10年(1877年)上切 | * | 1,500,000 | 900,000 | 600,000 | 350,000 |
明治13年(1880年) | * | 7,000,000 | 4,500,000 | 3,000,000 | 2,000,000 |
明治18年(1885年) | 350,000 | 180,000 | 50,000 | 28,000 | 18,000 |
明治30年(1897年)下切 | 60,000 | 30,000 | 6,000 | 3,000 | 2,000 |
明治30年(1897年)上切 | 400,000 | 200,000 | 150,000 | 100,000 | 80,000 |
明治31年(1898年)下切 | 100,000 | 50,000 | 20,000 | 10,000 | 7,000 |
明治31年(1898年)上切 | 45,000 | 23,000 | 5,000 | 2,800 | 2,000 |
明治32年(1899年) | 50,000 | 25,000 | 6,000 | 3,000 | 2,000 |
明治33年(1900年) | 120,000 | 50,000 | 6,000 | 3,500 | 3,000 |
明治34年(1901年) | 170,000 | 80,000 | 12,000 | 5,000 | 3,000 |
明治35年(1902年) | 250,000 | 120,000 | 35,000 | 15,000 | 8,000 |
明治36年(1903年) | 200,000 | 90,000 | 20,000 | 8,000 | 5,000 |
明治37年(1904年) | 50,000 | 25,000 | 6,000 | 3,000 | 2,000 |
明治38年(1905年)下切 | 50,000 | 25,000 | 6,000 | 3,000 | 2,000 |
明治38年(1905年)上切 | 80,000 | 40,000 | 10,000 | 5,500 | 3,500 |
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
※明治7年・9年・10年・13年の「*」は取引が無いほど非常に希少価値が高く価格が付けられていません。
明治6年(1873年)の「長年」とは、下の写真の左側のように、「年」の字の5画目の横棒が長くなっていることを言います。この「長年」は希少価値が高い為、25万円もの高値で取引がされることもあります。
また、「下切」、および「上切」とは、ご覧のとおり、竜50銭銀貨の裏面のリボンの切り方が上を向いているか、下を向いているかを意味しています。
竜20銭銀貨の価値も高く、明治13年(1880年)に発行された竜20銭銀貨は、なんと!未使用品なら500万円もの価値になります。これは、この年の発行枚数が96枚と極端にすくない為、希少価値が高くなり高価な値が付くという訳なんです(^^;
また、明治8年(1875年)と明治9年(1876年)銘のものには前期と後期があり、どちらも希少価値が高いのですが、明治8年前期で40万円、明治8年後期では15万円と値が下がってしまうものの高値で取引されています。
その明治8年の前期と後期の見分け方をご紹介致します。
赤枠で囲んだところに注目をして下さい。向かって左側が前期なんですが、左下に描かれた桐の葉が3枚あるのに対して、右側の後期は桐の葉が1枚しかありません。また、右側の菊の枝に描かれた葉が左側より多くなっているのがお分かりにりますでしょうか。また、「銭」の字の書体も違うのが分かるかと思います。
また、「欠日」といって、明治6年発行の表面にある大日本の「日」の第2画の上部横画が欠けている竜20銭銀貨があり、その価値は完全未使用なら20万円、未使用でも15万円もの高値が付きます。
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
※明治6年欠日とは、「日」の第2画が欠落しているもの。
※明治8年前期のものは明治6年、7年型をいう。
※明治8年後期は「ハネ明」。
※明治9年前期は「ハネ明」。
※明治9年後期は「トメ明」。
最後に、竜10銭銀貨の価値ですが、明治35年(1902年)に発行された竜10銭銀貨は、なんと!250,000円にもなります。
そのほかの年代では、明治7年で22万円、明治34年で23万円と希少価値が高いため価値が上がります。
明治8年銘のものは前期と後期に分けられます。見分け方は、前期の方が表面の「明」の字の4画目がハネて2画目を突き抜けていますが、後期はハネていませんのでその点で見分けることができます。
また、明治6年にもハネた「明」があり「ハネ明」と呼ばれ完全未使用品なら15万円もの値がつくこともあります。
さらに!明治13年銘(1880年)のものは77枚しか発行されておらず市場でも非常に珍しいためその価値ははかり知れません。
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
※明治8年前期は明治の『明』の4画がハネているものをいいます。
※明治18年、26年に小文字があります。
※明治13年は発行枚数77枚の為取引価格がありません。
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