今回は、数ある寛永通宝のなかから「虎ノ尾寛」と呼ばれる寛永通宝の買取価格と見分け方をご紹介致します。
ちなみに、なぜ「虎ノ尾寛」と呼ばれるかというと、『寛』の13画目が虎の尻尾のように長く上向いているからなんですよ(^^♪
この寛永通宝『虎ノ尾寛』は、1740年頃 紀伊国名草郡中之島村、現在の和歌山海草郡で鋳造されました。
その為、『和歌山銭』とか『中之島銭』とも呼ばれたりします。
冒頭でも申し上げましたが、この寛永通宝の特徴は『寛』の13画目にあります。
では、その見分け方と特徴を説明致しますね。
まず新寛永通宝か古寛永を見分けます。
赤丸で囲った『寶』の『貝』に注目して下さい。
赤丸のように『ハの字』になっていれば新寛永通宝です。
『ス』になっていれば古寛永通宝です。
次に、『寛』の字に注目して下さい。
最後の13画目が写真の様に、まるで虎の尻尾(しっぽ)のように長くなっていれば「虎ノ尾寛(和歌山)」です。
新寛永通宝 母銭 虎ノ尾寛(和歌山)面(表側)
新寛永通宝 母銭 虎ノ尾寛(和歌山)背(裏側)
気になる価値ですが、通常銭なら2,000円から4,000円、母銭ともなるとその約10倍の価値に跳ね上がります。
ちなみに、母銭とは、通常の寛永銭を鋳造する時の母型(ぼけい)で、材質や寸法に違いがあります。通常銭よりほんのわずかだけ大きく、文字なども鮮明という特徴があります。
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
そして、『虎ノ尾寛』と呼ばれるものに、もう一種類、深川十万坪で作られた『虎ノ尾寛』があります。
見分け方は書体が違うことです。
こちらがその深川十万坪で作られた『虎ノ尾寛』です。
↓こちらが虎ノ尾寛小字(十万坪)の表面です。
和歌山で作られた『虎ノ尾寛』の文字の書体に比べて、深川十万坪で作られた『虎ノ尾寛』は、線が細く字が小さいのが特徴です。
↓こちらが虎ノ尾寛小字(十万坪)の裏面です。
深川十万坪で作られた『虎ノ尾寛』の価値は、通常銭で、300円から500円。母銭なら25,000円から40,000円にもなります。
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
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