今回は、昭和17(1942年)に政府から発行された政府紙幣50銭 靖国50銭をご紹介致します。
ちなみに、政府紙幣とは、政府が直接発行した通貨のことで、日本銀行が発行する紙幣とは区別されます。
他の紙幣との見分け方は簡単で、まず、紙幣の中央に靖国神社が描かれています。
これは靖国神社の第二鳥居で、奥には神門が印刷されているのが特徴です。
さらに!右上には両翼を広げた金鵄(きんし)と桜花が共に印刷されています。
この金鵄(きんし)とは、金色のトビのことで、「日本書紀」には「神武天皇を日本建国へと導いた金色の鵄(とび)」と記されています。
また、右端には、年号が印刷されており、昭和17年から昭和20年の4種類があります。
上部中央には、菊紋が施されており、左下には「大蔵大臣」の印が印刷されています。
裏面には、宮崎県と鹿児島県の県境に位置する火山「高千穂峰(たかちほのみね)」が印刷されています。
大きさは、65mm x 105mm です。
↓こちらが靖国50銭の表面です。
↓こちらが靖国50銭の裏面です。中央に印刷されているのがさきほどご紹介致しました「高千穂峰(たかちほのみね)」です。
1941年12月8日の真珠湾攻撃により太平洋戦争に突入した為、紙幣を増産する必要となった政府は、民間の凸版印刷株式会社へ印刷を委託しこの紙幣が発行されました。
この靖国50銭には、前期と後期の2種類があり、紙幣中央の菊紋の下にある印刷された文言から見分けることができます。
大日本帝國政府紙幣と印刷されていれば前期、日本帝國政府紙幣と印刷されていれば後期となります。
気になる価格ですが、残念ながら正直あまり高値が付くことがありません。
最高値が昭和17年(1942年)に発行された紙幣の未使用品で2,500円、並品ともなると80円ほどの値段がやっと付く程度です。
高値が付かなくても歴史を感じられる古紙幣ですので価格以上の価値があると思います(^^♪
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
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