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古銭紙幣の種類と買取り価格|昭和から平成の紙幣

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今回は、1944年(昭和19年)から発行された古紙幣をご紹介致します。

 

なじみのある紙幣が多いのですが、江戸幕末から昭和初期に発行された紙幣と違って市場価値が残念ながら低く高価な価格が期待できません。

 

たとえば、1927年(昭和2年)に発行された日本銀行兌換券(裏白)200円の買取価格は、650万円から400万円もの価値があります。

 

が、一方、1958年(昭和33年)に発行された日本銀行券C号10,000円聖徳太子が未使用で、4万円の価値しかありません。

 

ただし、例外もあります。

 

それは組番号(アルファベット)が1桁で初期の印刷であったり、また、記号番号が「888888」のようにゾロ目だったり、「123456」のように連続していると額面以上の価値が付くこともあります。

そこで、今回は1944年(昭和19年)から発行された馴染みのある古紙幣の価格を詳しくご紹介致します。

 

日本銀行券C号10,000円聖徳太子

 

日本銀行券10銭(八紘一宇

 

 

日本銀行券10銭(八紘一宇)
※画像クリックで拡大します

名称 日本銀行券10銭(八紘一宇)
発行年 1944年(昭和19年)11月1日~1953年(昭和28年)12月31日
額面 10銭
価値

 

状態 買取価格
未使用 600円
極美品 300円
美品 200円
並品 100円

※買取価格は日本貨幣カタログより引用

特徴

日本銀行から発行された紙幣です。それまでの多くの紙幣は政府が発行したものが多かったのですが、この日本銀行券10銭(八紘一宇)は日本銀行が発行しました。
日本銀行券10銭の表面左側には、宮崎県宮崎市にある「八紘一宇の塔」が印刷されています。この「八紘一宇の塔」は、神武天皇の即位から2,600年に当たる1940(昭和15)年に建てられました。また、「八紘一宇(はっこういちう)」とは、「日本書紀」に示された「八紘(あめのした)を掩(おお)ひて宇(いえ)にせむ」を、「全世界を一つの家のようにする」と解釈したものです。それが、第二次世界大戦中には、日本の中国・東南アジアへの侵略を正当化するスローガンとした説と、世界平和を願った人道の普遍的思想を示すものという諸説があります。現在は平和の塔という名前で呼ばれており、国内外から観光客が訪れる観光スポットになっています。
日本銀行券10銭(八紘一宇)の大きさは、51mm×106mmで、組番号は1~20までです。

 

日本銀行券5銭(楠公5銭)

 

 

日本銀行券5銭(楠公5銭)
※画像クリックで拡大します

名称 日本銀行券5銭(楠公5銭)
発行年 1944年(昭和19年)~1953年(昭和28年)12月31日
額面 5銭
価値

 

状態 買取価格
未使用 500円
極美品 250円
美品 150円
並品 100円

※買取価格は日本貨幣カタログより引用

特徴 日本銀行から発行された5銭紙幣で、10銭(八紘一宇)と同年に発行されています。それまでの多くの紙幣は政府が発行したものが多かったのですが、この日本銀行券5銭(楠公5銭)は日本銀行が発行しました。
日本銀行券5銭(楠公5銭)の表面左側には、楠木正成(くすのき まさしげ)が印刷されています。楠木正成は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将で、後醍醐天皇を奉じて鎌倉幕府打倒に貢献し、建武の新政の立役者として足利尊氏らとともに天皇を助けました。明治13年(1880年)には正一位(しょういちい)を追贈されています。ちなみに、正一位とは、諸王および諸臣に与えられる最高位の位階です。
日本銀行券5銭(楠公5銭)の大きさは、48mm×100mmで、組番号は1~14までです。

 

日本銀行券A号100円(4次100円)

 

 

日本銀行券A号100円(4次100円)
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名称 日本銀行券A号100円(4次100円)
発行年 1946年(昭和21年)2月25日
額面 100円
価値

 

状態 買取価格
未使用 3,500円
極美品 1,500円
美品 1,200円
並品 600円

※買取価格は日本貨幣カタログより引用

特徴

日本銀行券A号100円は、1944年(昭和19年)に発行された3次100円に続き、聖徳太子が表面に印刷されたことから通称「4次100円」とも呼ばれています。また、表面左側には、夢殿が印刷されています。組番号は、1組から7352組まであります。紙幣の番号により、印刷局と工場も識別できるようになっています。
こちらが、その印刷局と工場の番号です。

局名 工場名 番号 印刷局 工場 番号
印刷局 滝野川 12 大日本印刷 市ヶ谷 14
酒匂 22 秋田 24
静岡 32 新発田 34
彦根 42 榎町 44
凸版印刷 板橋 13 共同印刷 小石川 15
富士 23 東京証券印刷 王子 16
大阪 33 小田原 26
帝国印刷 17 武生 36

 

日本銀行券A号100円(4次100円)

 

 

日本銀行券A号10円(議事堂10円)

 

 

日本銀行券A号10円(講事堂10円)
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名称 日本銀行券A号10円(議事堂10円)
発行年 1946年(昭和21年)2月25日
額面 10円
価値

 

状態 買取価格
未使用 1,500円
極美品 800円
美品 400円
並品 200円

※買取価格は日本貨幣カタログより引用

特徴

日本銀行券A号10円のA号とは、4桁以上の数字で構成され、先頭の桁は常に「1」となっており、日本銀行券であることを意味しています。また、末尾の2桁は製造工場を表しており、先頭1桁と末尾2桁を除いた部分が組番号となています。なお、この日本銀行券A号10円には通し番号(講事堂10円)がありません。
こちらが、その印刷局と工場の番号です。

局名 工場名 番号 印刷局 工場 番号
印刷局 滝野川 12 大日本印刷 市ヶ谷 14
酒匂 22 秋田 24
静岡 32 新発田 34
彦根 42 榎町 44
凸版印刷 板橋 13 共同印刷 小石川 15
富士 23 東京証券印刷 王子 16
大阪 33 小田原 26
帝国印刷 17 武生 36

表面左側には、国会議事堂が印刷され、右側には鳳凰が印刷されています。このデザインは、民間によってデザインされ、大日本印刷や凸版印刷などの民間企業でも印刷されたことと、透かしが入っていないことから偽造が多発した紙幣です。また、表面のデザインが「米国」に見えるなどのことから、GHQの陰謀があるのではとの悪評が立ち、国会でも問題となったいわくつきの紙幣です。その後、この日本銀行券A号10円は、十円硬貨が市中に出回り始めた1953年に製造年月日となりました。

 

日本銀行券A号5円 彩文(紋様)

 

 

日本銀行券A号5円 彩文(紋様)
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名称 日本銀行券A号5円 彩文(紋様)
発行期間 1946年(昭和21年)3月5日~1955年(昭和30年)4月1日
額面 5円
価値

 

状態 買取価格
未使用 1,800円
極美品 1,000円
美品 600円
並品 300円

※買取価格は日本貨幣カタログより引用

特徴

日本銀行券A号はすでにこのページで2種類ご紹介をさせて頂いておりますが全部で以下の6種類が発行されています。
1. 日本銀行券A号(100円・聖徳太子と夢殿)
2. 日本銀行券A号(10円・議事堂)
3. 日本銀行券A号(5円・彩文(紋様))
4. 日本銀行券A号(1円・二宮1円)
5. 日本銀行券A号(10銭・鳩10銭)
6. 日本銀行券A号(5銭・梅5銭)

1946年(昭和21年)当時、GHQの占領下にあった日本はインフレと食糧不足が深刻化した時代で、生活を安定させようとする国民運動が高まりつつある時代です。
その戦後のインフレを解消するための金融政策として発行されたのがこの日本銀行券A号です。

この日本銀行券A号5円 彩文(紋様)は、民間でデザインされた紙幣の一つで肖像や風景が無いのが特徴です。
GHQの認可を得るために敢えて無難な図柄にしたのかもしれませんね。

透かしもなく大日本印刷や凸版印刷などの民間企業でも印刷された為、偽造紙幣も数多く発見されています。

比較的安価で取引されており未使用でも1,800円程度です。並なら300円程度で取引されています。

 

日本銀行券A号1円(二宮1円)

 

 

日本銀行券A号1円(二宮1円)
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名称 日本銀行券A号1円(二宮1円)
発行期間 1946年(昭和21年)3月19日~1958年(昭和33年)10月1日
額面 1円
価値

 

状態 買取価格
未使用 300円
極美品 150円
美品 100円
並品 80円

※買取価格は日本貨幣カタログより引用

特徴

終戦直後の新円切替のため、民間によってデザインされたA号券の一つで、大日本印刷や凸版印刷などの民間企業でも印刷されました。その為発行枚数がく、未使用品でも300円程度の値しかつきません。印刷時のエラーや珍しい番号でない限り高値が付くことはまずないでしょう。
紙幣右側に二宮尊徳が、また、中央下に朝を告げる雄鶏が描かれており、透かしが入っていないのが特徴です。

ちなみに、日本銀行券A号1円のA号とは、4桁以上の数字で構成され、先頭の桁は常に「1」となっており、日本銀行券であることを意味しています。また、末尾の2桁は製造工場を表しており、先頭1桁と末尾2桁を除いた部分が組番号となています。

日本銀行から発行された1円は、1885年(明治18年)発行の旧兌換銀行券(大黒1円)、1889年(明治22年)発行の改造兌換銀行券(漢数字1円)、1916年(大正5年)発行の大正兌換銀行券(アラビア数字1円)、1943年(昭和18年)発行の不換紙幣(中央武内1円)、1944年(昭和19年)発行の改正不換紙幣(中央武内1円)とこの二宮1円の計6種類があります。

 

政府紙幣B号50銭(板垣50銭)

 

 

政府紙幣B号50銭(板垣50銭)
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名称 政府紙幣B号50銭(板垣50銭)
発行期間 1948年(昭和23年)3月10日~1953年(昭和28年)12月31日
額面 50銭円
価値

 

状態 買取価格
未使用 400円
極美品 300円
美品 100円
並品 80円

※買取価格は日本貨幣カタログより引用

特徴

50銭硬貨の製造に必要な黄銅の材料となる薬莢(やっきょ)、弾帯(だんたい)、黄銅棒(おうどうぼう)、信管(しんかん)などを、造幣局が軍から払下げを受けたため、これまで発行していた政府紙幣50銭「富士桜50銭」と「靖国50銭」を廃止し50銭硬貨を製造することになった。
が、当時インフレが激しい時期であり、小型50銭黄銅貨(昭和22年から23年に製造)に変更したがインフレがさらに進行したため、現在の財務省が新たに50銭の政府紙幣を発行したのがこの「板垣50銭」です。

図案は板垣退助が採用されており、「日本帝国政府紙幣」という題目から「日本政府紙幣」にも変更されています。印刷は残念ながら、透かしも使用されておらず、パルプ用紙が使用されている粗雑な紙幣です。

この紙幣の印刷は民間会社へ委託された為、通し番号はなく4桁以上の数字のみので構成されています。
同時期に発行された日本銀行券A号1円(二宮1円)の記号は先頭の桁が「1」となっていた為、板垣50銭の先頭の桁は政府紙幣を表す「2」となっています。
また、末尾の2桁は製造工場を表し、先頭1桁と末尾2桁を除いた部分が組番号となり、1記号につき500万枚製造されました。

その後、1953年7月に小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律が制定され廃止されるまで使用されていました。

 

 

そのほかの江戸時代(慶応)からの古紙幣はこちらをご覧ください。

 

 

 

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