今回は、江戸時代に鋳造された一分銀の種類と価値・見分け方についてご紹介を致します。
一分銀は、天保8年(1837年)に初めて発行されてから、明治2年(1869年)までの間に、天保一分銀、庄内一分銀、安政一分銀、明治一分銀の4種類が鋳造されました。
当時は、この一分銀1枚で1000文の価値があり、現在の価値になおすと33,000円前後に相当します。
一分銀は、長方形の形で、表面には「一分銀」、裏面には「定 銀座 常是」と刻印されています。その周りには20個の桜が刻印されています。
この「銀座」とは、江戸時代 幕府により銀座以外での貨幣鋳造が厳しく取り締まられたことからその名が付けられ、銀の地金の売買や銀貨の幕府への上納を担当していました。東京の銀座が当時、その銀座があった場所でそれが現在の地名となっております。そのほか、京都や大阪にも銀座はありました。
一方の常是(じょうぜ)とは、「寶」という字や「大黒」などの極印打ちや封を担当していたところです。
一分銀がどういう古銭かご理解頂いたところで、天保一分銀、庄内一分銀、安政一分銀、明治一分銀の4種類の見分け方をご紹介致します。
4種類の一分銀の見分け方は5ポイント!
1.一分銀の側面の上下に「桜」の印が2つあれば天保一分銀、なければ明治一分銀。
2.一分銀の側面の左右に「桜」の印が3つあれば天保一分銀、なければ明治一分銀。
3.側面がツルツルとした滑らかであれば天保一分銀、ギザギザとしたヤスリ目であれば明治一分銀。
4.表面の中央右に小さく「庄」の文字が刻印されていれば庄内一分銀。
5.重さが8.63グラムなら安政一分銀
どの種類の一分銀か見分けることができたところで、天保一分銀、庄内一分銀、安政一分銀、明治一分銀 それぞれの価格をご紹介致します。
ご覧のとおりそれら4種類の価格はバラバラで、保存状態や書体によって価値がずいぶんと違ってきます。
上の表の中に、「跳分」・「長柱座」・「玉一」などありますがこれは独特な書体で、特徴があり希少価値が高いため普通品と呼ばれる一分銀と比べると何倍も価値が上がります。
その「跳分」、「長柱座」については天保一分銀で詳しくご説明をしておりおりますのでぜひこちらもご覧ください。
天保一分銀、庄内一分銀、安政一分銀、明治一分銀の4種類の品位や量目は下記のとおりです。
また、鋳造時期を下記にまとめましたのでご参考にしてください。
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