今回は、地方銭の仙台通宝の価値と見分け方についてご紹介致します。
仙台通宝は、地方銭の一種で、天明4年(1784年)仙台藩が領内での通用として鋳造されました。 形は四角形の角を丸くした外郭で、中心には穴銭の特徴でもある正方形の穴が開いています。素材は、”鉄”で出来ていて手にもつとその重みを感じるころができます。
寛永通宝と同じように表面には、上下に仙臺、そして左右に通宝と刻まれています。
江戸時代の仙台藩では、寛永通宝を鋳造しておりましたが、天明の大飢饉の影響で、藩の財政が苦しくなったことをきっかけに、5年間という期限付きで、この仙台通宝を鋳造しました。
歴史の授業で習ったことがあるかと思いますが、天明の大飢饉(てんめいのだいききん)とは江戸時代中期の1782年(天明2年)から1788年(天明8年)にかけて発生した江戸四大飢饉の1つで、日本の近世では最大の飢饉と言われています。被害は東北地方の農村を中心に、全国で数万人(推定約2万人)が餓死したと言われていますが疫病も流行した為、一説には90万人以上が亡くなったとも言われています。
鋳造当初は大型であったが、次第に小さくなりました。その為、大様(おおよう)、中様(ちゅうよう)、小様(しょうよう)の3種類があります。
見分け方はとても簡単! 幅が23ミリなら大様、22ミリなら中様、20ミリを小様と分類しています。
鋳造量は、308,000,000枚です。その為、仙台通宝は、1両につき10貫800文であったのが、21貫文まで相場が下落。結果、5年の期限を待たずに鋳造が中止とされました。現在の取引価格は、小様で1,500円から300円程度です。 写真の私の仙台通宝(小様)も1,000円で購入致しました。
気になる取引価格ですが、小様で状態が良ければ1,500円で取引されることもあります。母銭ともなればなんと!50,000円もの値が付くこともあります。
ちなみに、母銭とは、通常の寛永銭を鋳造する時の母型(ぼけい)で、材質や寸法に違いがあります。通常銭よりほんのわずかだけ大きく、文字なども鮮明という特徴があります。
大様と中様は希少価値が高く、日本貨幣商協同組合発行の「日本貨幣カタログ」にも取引価格は掲載されておりません。
銀座コインでは大様が88,000円(税込)で販売されておりSOLD OUTになっていますし、ヤフオクでは、中様が、25,000円で売りに出されておりました。
※日本貨幣商協同組合発行の「日本貨幣カタログ」の価格を参考にしております。
古銭の種類と価値はこちら