在外貨幣の朝鮮1銭銅貨(小型)の価値と見分け方
今回は、在外貨幣の中から朝鮮(大韓帝国)で流通した貨幣の1銭銅貨(小型)の価値と見分け方をごご紹介致します。
ちなみに、在外貨幣とは、かつて日本の勢力下であった地域で発行された銀行券や硬貨のことを言います。
この1銭銅貨(小型)も日露戦争後、日本の勢力下であった韓国が1905年7月に、日本と同一の貨幣制度を採用した為、1907年から1910年にかけて大阪造幣局で発行された貨幣です。
表面は、当時発行されていた竜20銭銀貨や旭日20銭銀貨とデザインがとてもよく似ています。
中央上に描かれているのが大韓帝国皇室の紋章である「スモモの花」です。
五つの花びらを左右対称にデザインし、それぞれの花びらに三つの花芯(かしん)が描かれています。
ちなみに、こちらがスモモの花です。
裏面の中央には鳳凰が描かれ、それを囲むように「大韓 隆熙 CHON」が刻印されています。「CHON」とは銭を意味していて、1962年まで韓国では 銭を「chon」と呼んでいました。
明治40年(1907年)から明治43年(1910年)にかけて発行され、大きさは22.5ミリ、重さは4.2グラムです。我々が使用している50円の重さが4グラムですからほぼ同じですね。
気になる価値ですが、隆熙元年(1907年)に発行されたもので未使用なら、15,000円もの価値になります。ただ並品だと数百円しか価値がないのが残念です(^^;
製造された年代とその1銭銅貨の保存状態により下記の表のとおり取引価格が変わってきます。
また、1銭銅貨には今回ご紹介をさせて頂きました小型のほか、大型があり、7.13グラムと小型の約3倍もの重さががあります。こちらも未使用なら15,000円もの価値になります。
※日本貨幣商協同組合発行「日本貨幣カタログ」より価格を掲載しております。
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